映画 忘れじの面影
鑑賞日時/18.1.21 14:00~15:30 会場/アートホール東洲館 1954年7月日本公開 アメリカ・ユニバーサル映画 原作/シュテフアン・ツヴァイク  脚本/ハワード・コッホ 監督/マックス・オフュルス   製作/ジョン・ハウスマン

破滅のペシミズム

 僕らが少年から青年に掛けての頃、日本は急速にアメリカ化が進み、その当時、これらの多くの映画が上映され、古い欧米の風景や物語に無意味に憧れたのを思い出し、 今この映画を観ていると強烈な郷愁と切ない思春期への想いが込み上げる。
 物語自体は、天才ピアニストでありながら浮気性で不誠実な男と、その男に思いつめた少女の長い恋の終りの破滅だからペシミックで救いのない展開だが、人間の弱さを徹底的に描いたと言うことなのだろうか。こういう心理は恐らく全ての人の潜在意識の中にあるのだろうが、それを極大化してみせたのだと思う。
 僕にとっては、その人間存在とその関係性よりも、描かれたウイーンの時代状況や異国風景やその人たちの衣装やパーティなどの風俗に、憧れと今になっては懐かしいような心情に強く包まれた1時間半であった。